音楽でもそれ以外でも、何か好きな事にのめり込んでいく上で「道具」や「」って、なんだかんだで超テンション上がる要素じゃないですか?

好きなアーティストの使用楽器やファッション等に関心が湧き、だんだんとそれの追及を始める・・、多くの方に経験があるかと思います。
単純にワクワクするこういった要素、つまり「憧れ」。入り口や原動力としてとても大事です!


今回は、「形から入る・・・でイイじゃないですか!」なお話です。

道具や形から入っても…イイじゃないですか!

◾️どんな分野のプロフェッショナルでも入り口は「憧れ」から

話はいきなりスポーツ選手のことになりますが、筆者の知る元プロ野球選手は子供時代の人生初のプロ野球観戦が”その道の始まり“だそうです。

大観衆に囲まれた、華々しいプロ野球の世界。
「カッコいい!」
実にシンプルな感情ですね。この憧れの気持ちが野球人生のスタートだそうです。
棒や玉で野球っぽい遊びに熱中し、その後努力を重ねて、ついに実際にその舞台に立つことに。このお話に筆者は「憧れ」の持つパワーの凄さを感じました。

もちろんミュージシャンにも同じことが言えます。理屈抜きに衝撃を受け惹きつけられると、それを自らやってみたくもなるものでしょう。

スタートとして誰にでも平等な話
この「憧れ」は、好きなことを始める原動力となります。そして、色々な「形」にも興味が湧いていきます!

ピッチングフォームを真似る!
エアギター!

などなど。
これはもう単純に楽しいことですね(笑)

続いて興味は道具方面にも。
バットとグローブが欲しい!
ギター買ったぜ!

という感じ。
みなさんにもあったりする(した)話かもしれませんね。
とにかくこういうのは、ニヤニヤしてしまいますよね(笑)

では以下、どんどん追求していきましょう!

◾️「あの楽器が欲しい!」ありませんか?

お店に並ぶピカピカの楽器たち。その楽器の詳しいことはわからなくても、これは「憧れ心」をくすぐられますね。

眺めていると、「試奏してみますか?」と聞かれて「エ゛〜ッ!! シ ソ ウ?☆◎△⁂!!? 他のお客さんもいるし! もしかしたらプロの人だっているかも・・ヤバい〜どうしようギョェ〜!」

とかなるかもですね(笑) でもそれも憧れに一歩近づく要素となります。だって出来るようになりたいですからね。
試奏しなかったにしても、カタログを持って帰って眺めたりモデルごとの違いを比較したりするのも、単純にワクワクしますね。

そうするうちに徐々に選択の目処が立ち、いよいよ購入に至れば、もう大興奮!  
既にある程度経験値のある方の場合は、ビンテージや誰々モデル、などマニアックなものが欲しくなることもあるでしょう。

その全ては、憧れに近づく可能性を手に入れている、ということです。 試行錯誤や選択ミスもあるかもですが、それも誰もが通る道
自分で確実に選択肢について調べられれば勿論良いですが、経験値豊富な人にアドバイスをもらうのも良いでしょう。

こうしてアイテムを手に入れたら嬉しいので結構それだけで達成感が芽生えたりします。が、憧れに近づくためには、、そう、練習ですね。せっかく買ったんですから。 これで日々が間違いなく豊かになります♪

◾️「あの格好がしたい!」ありませんか?

さぁ、道具も手に入れました。練習もがんばっています。もっと突き進んでも・・・、オーケーです!(笑)

好きなアーティストと同じような格好をしてみた・してみたい・・、どうですか? 身に覚えはありませんか?

コンサート会場に向かうファンがなんだかスゴい格好をしている光景とか、見ますよね。これも気持ちが盛り上がる要素のひとつでしょう。
身なりひとつで気持ちにもスイッチが入ります。シーンによって、マッチするものが着物だったりスーツやドレスだったりジーンズだったり。これは暮らしの全てにおいて言える話です。そして音楽はその「暮らし」を彩ります。

筆者はトランペット教室もやっていますが、生徒さんがある日「リー・モーガン」髪型で登場したことがありました。なんでも美容院でリー・モーガンの写真を見せてオーダーしたのだとか!
リー・モーガン は60年代を中心に活躍したジャズ界のスタートランペッターのひとり。 生徒さんは憧れのヒーローに一歩近づいた感が芽生えたようで、実際プレイもリー・モーガンっぽさが出ていたのでこちらも音楽的に刺激を受けたくらいです。

このように、ファッションで気持ちがノッてくることは多くあるでしょうね。
実際、あるミュージシャンは、家で練習する時でも常にスーツに身を包むそうです。

気持ちがアウトプットされるのが「音楽」。ですので、気持ちを上げたり整えたりしてくれる格好でいることも、また意味があるというものです。

◾️そしてどんどんハマるうちに探究心が自らを形作っていく・・

単純な衝動からスタートしたプレイヤー道。
やがて、のめり込みます(笑)
好きなアーティストのカッコいいフレーズをコピーしたり、そのプレイの意味や意図を研究したり・・。 ここまでくると具体的に表現性や技術が向上しますね。

表現したいイメージにアプローチするために新たな楽器や道具が必要になる場合もあるでしょう。 必然であり、このレベルにまで達すると既に明確な根拠があるので選択ミスもほぼ無くなるでしょう。

また、好きなアーティストがこれまで辿った道を調べるようにもなったりします。
著名ミュージシャンの自伝などはよく出ていますね。読むとアーティストの生い立ちが見えてきます。そしてその「知」の吸収がジャンルやスタイルの源流を知ることにも繋がります。
今の音楽から過去の音楽に遡るように辿っていくことはよくあることですよね。ルーツを知るとまた感じ方も深くなっていくので、結果ますます楽しさが膨らみます。


ところで、音楽が好きな方の多くは、様々なジャンルアーティストの影響を複合的に受けていたりしませんか?

例えば筆者(ジャズトランぺッター)の場合、10才の時にクラブ活動でトランペットを始め、以降学生時代は吹奏楽に夢中、同時に浜田省吾さんが好きだったりしたのでギター弾き語りもカジり、サングラスも買い(笑)、そしてハーモニカホルダーにブルースハープを装着して色々吹くうちにBLUESの世界にも惹かれ、そしてそれはJAZZとも繋がりが深く、次第に、最も自分が自然に扱えるトランペットという楽器でJAZZを演奏する行為に没頭していく・・・、 という具合。

こうして“ジャズトランペッター”となっていますが、紐解いていくと過去に触れた様々な音楽スタイルが絡まりあいながら今の自分のプレイに繋がっているように感じます。もちろんこれからも日々音楽を楽しみ日々精進、の連続です。

誰もがゼロからスタートしますが、憧れから派生することを積み重ねていくうちに、いつしか自身のオリジナリティが生まれ、そして最終的には誰とも違う確固たる「個性」 の確立へと向かうのではないでしょうか? 私もそうありたいと常々思っています。

強い個性は、シンプルに人々を惹きつけます。
誰の真似でもないところまでパフォーマンスを昇華させ、人間の根源的な部分から何かを発せられる人は「アーティスト」であり、影響力を持っていることでしょう。つまり「憧れの存在そのもの」となっているのです。

◾️ハマることはエネルギーの根源です

一流の表現者は常に進化を続けています。
昨日のプレイは昨日のこと。今日はまた新たなアイデアを実現したくなる。クリエイターは発想力や探究心が豊かですので自然なことですよね。
それでいて「そのひと」ならではの根源はブレていない。土台は変わらない事もまた魅力。そこには「憧れ」から始まったピュアな部分が大きく影響していることでしょう。
そのように人々の心を惹きつけ続けられる表現者は本当に魅力的ですね。

誰にでもスタートラインはあります。そしてそれは必ず「ゼロ」です。
一流アーティストの中にもホウキやスコップをギターに見立てて歌っていたような人は多いのです(笑)

憧れ・ワクワク、誰もが平等に純粋に持ち得るものです。
さぁ!皆さんも「気持ち」を大エンジョイしましょう!「道具」も「形」も楽しいこと。そこから何かが始まりますよ!


ジャズトランペッター 河村貴之