トランペッター河村貴之が思う様々なこと、を連載しております当コラム。
第4回目のこの原稿は寒い12月に執筆中。そう、風邪やインフルエンザ、様々なものが襲ってくる、恐怖の「冬」の本番スタートです!
どんなお仕事の方も体調不良は困りますよね。しんどい上に予定が狂う。。もちろんミュージシャンという職業もそう。なので冬場は特に気をつけます!
ということで、今回は今までの流れから少し逸れて、「ミュージシャン、健康であれ!」なお話です。
というか筆者がそうありたいと常々思っている(笑)
過去のデタラメ体験などもベースにしつつ、以下記していきます!

◾️風邪とかひいてる場合じゃないです
筆者は16年前まで会社勤めをしていました。
日々業務に励む中、「やば、熱が出た・・」「腸の具合が・・」など、不調が時々起きていました。そしてその都度、誰かに業務代行をお願いする事でどうにか急場を凌いでいました。仲間には本当に助けられました。有難いことです。
しかし、今は、音楽の仕事を“自分の名前が露出する形”で行っています。なので代わりを務めてくれる人はいません。つまり、風邪など体調不良に見舞われるわけにはいかないのです。
すると、不思議なことに、会社員時代に比べ、風邪をひく確率が劇的に下がりました。自分の代わりが本当にいない。名前出てますからどうだろうが休めない。”公演の日に健康であることを世間に約束してます状態“なわけです。
本当に風邪をひいている場合じゃないから、「風邪をひくのはもう辞めた」と公言することで自らを律しながら、気持ちだけでなく普段の行動から気をつけるようになりました。
それでもひいてしまう痛恨劇もたまにはありますが、比較的軽度で済んでいます。
とはいえ、このように筆者はたまに やらかす奴 なので結果まだまだ甘いほうです。凄い方はいわゆる“プロ意識”が本当にブレることなく徹底されています。
また、冬場はインフルエンザも流行しますね。筆者は会社を辞めて以来インフルエンザに一度もかかっていません。これも、絶対かからないと決めているから何かしら注意が具体的に行動に現れている結果かと思います。「かかりたくない」、じゃなくて、「もうかかれない」。もしもかかったら、全てに穴を空け業務上相当まずいですから。
手指消毒、マスク、喉の加湿、街でドアノブを可能な限り触らない、粘膜は手で触れない、口を開けてボーッとしない(笑)・・など、日頃から様々と注意してますが、もっと策を施し、ますます気をつけたいものです。
◾️飲み過ぎている場合じゃないです
飲み過ぎて轟沈、二日酔い。これは完全に自業自得。だいぶダメです(笑)
筆者は、昔は激烈に飲みまくる日々でした。あるライブハウスのビール連続飲み記録のタイトルホルダーだったくらい。
まだ若くて体力あったからどうにかなっていたのか。しかし、立派な先輩ミュージシャンは、飲み方が「大人」であることにある日気付きました。ある時間まで飲みの場を楽しんだら、タイミングでサッと切り上げ翌日に備えています。
もう一件!あともう一件!!締めにもう一件!!! 朝!通勤ラッシュの中帰宅!
とかしてた自分の行動の危険さ。これは、翌日以降にいい演奏ができる状態にあれない可能性を自分で高めていますよね。積み上げてきた信頼も失いかねません。
良い音楽家は酒の場を楽しみつつも、人知れずちゃんと体調管理をしています。なにも音楽家に限った話でもないですけど。
あと、飲みながら演奏するのも、楽器のコントロールが雑になるのでしないですよ。車と一緒。飲んだほうが運転が上手になる人は多分いません。
◾️ミュージシャンは夜型化しやすいですが、、、
夜に作ったものを翌日見たら、“うわぁ・・” 、な事ってないですか? 夜に書いた手紙やメール、往々にして恥ずかしいものが多いかと思います。
例えば以下の文章をご覧くだ
いや、勘弁してください m(_ _)m
手紙など文を書くのも創作の一種。作曲やアレンジでも同じことです。
筆者も昔は、朝まで起きていてその間に創作活動をしたりしていました。そして日中は寝る。起きたら夕陽が。完全に昼夜逆転。
その結果、せっかく時間かけて創ったものも「実はダサかった」とかに見舞われることもよくあり、時間を割いたにもかかわらずトホホ。。しかも身体がめちゃくちゃダルいというオマケつき。。
特にライブ活動タイプのミュージシャンは夜がメインの仕事時間なのでどうしても遅くなりがち。ある程度仕方のない事ではあるのですが、「ある程度」にとどめておきたい、と思っているかどうか。これが必要でしょう。
私も近年はここを改めています。
特に、起床時刻を固定するように努めています。
そして日光を浴びています。日光のもとで活動すると脳内にセロトニンという物質が出て気分が穏やかになり脳の働きも上がります。
普通よりやや遅めのサイクルで寝たり起きたりではありますが、太陽の出ている時間に活動をすることが習慣づくと心身によろしいです。
夜は逆に、ほのかな灯で静かに過ごす時間を少し経てから眠りに入ります。
ヒトが太古から動物として本来持っている身体のサイクルに従うことを心がける、ということです。放っておいたら逆転しやすい”夜型“の職業だからこそ。
これが再び昼夜完全逆転してしまったらパフォーマンスが雑になるんじゃないかな?と、身をもって思っています。
◾️不健康なのがカッコいいんじゃなくて、それだけ心身から発してるからまるで不健康に見える、というのが真実
前回のコラムでも書きましたが、人間の根源的な部分から何かを発せられる人が「アーティスト」かと思いますので、そいういう意味で心身の根っこの部分がそのエネルギー源です。そこは健康でないと、“.感度”も“伝播度”も確実に落ちます。
音楽の表現ベクトルとしては不健康ぽいのがカッコよく見える場合も確かにあります。しかしそれはあくまで“反骨性”とかの類いのものが見え方によっては「不健康」に映るだけで、そう映るということはつまりそれだけ心身がフル稼働できる健康さがアーティストに有る、ということ。
不良っぽさや破天荒さが魅力となっているアーティストも多くいますが、その精神性と身体の不具合は全く別の話です。身体の具合が悪くないと表現できない、とか、もし本当にあったらおかしな話ですよね。
◾️音楽で心身健康になろう!
リスナーの方からよく聞く声、「元気をもらえた」「明日からもがんばれそう」。
仕事とはどの業種でも「人の役に立つこと」だと思いますので、筆者の場合この言葉がものすごく嬉しいです。
プレイヤーは高揚感や癒しなど目に見えない何かをリスナーの心に届け共有したいはず。しっかり届けるにはそれを発する源である自らの健康さがまず必要。
そして、身体のどこかにハンデを抱えてらっしゃるミュージシャンの方もおられます。筆者の周りにも実際数名ほど。そういう方は、意識のレベルが桁違いなんでしょうね、今回の内容全てにおいてとてもお手本となります。健康であることの意味や意義について教えられることばかりです。
あとひとつ。ここを読んでくださってる方は全員音楽が大好き!かと思います。音楽に触れることで、心が元気にいられますよね。これは何気に、純粋に効果のある健康法だと思いますよ!
音楽で皆さんの心身が元気に穏やかにあれれば、と心より思います。 健康をもとに、達成感や癒しや笑顔のある日々を皆さん共に送っていきましょう!
ジャズトランペッター 河村貴之